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NEW ENERGY#
 2004年09月12日 神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 観客動員数:450人(満員)
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
×広田さくら サソリ○(全女)
(5分58秒、エビ固め)
サソリのオーバーマスクを控室で盗んだ広田は、それをかぶってサソリのコスプレで登場。
特攻服の胸に“母・世津子”の名を縫いつけた広田は、サソリにオーバーマスクの代わりに、なぜかパピヨンのアイマスクをかぶらせる。
序盤、両者はスリッパで壮絶なド突き合い。容赦なきラリーを制したのはサソリのカウンターの一撃。
中盤、広田が持参した刀をサソリが奪い、それを鞘から引き抜くと、赤い花が飛び出し、サソリは素でビックリ。
広田はスワンの涙を自爆すると、マヒストラル合戦はしのいだものの、ジャックナイフを切り返されてカウント3。
試合後、サソリが珍しくマイク。「広田…お前のやったことは…ドロボーなんだよ!」
あまりにそのまんまなサソリの一言に、広田はキョトンとして「…そうだよ」
絶妙な間でオチをつけることに成功した。

第2試合 シングルマッチ30分1本勝負
永島千佳世 デビル雅美×
(4分03秒、回転エビ固め)
唐突にファイアーバレーを繰り出すなど、序盤から勝負を急ぐデビルに、永島も間を開けず応戦。
最後は2度目のファイアーバレーを丸め込み、ガッチリ固めて永島がフォール勝ち。
短時間ながらなかなか内容は濃かったが、デビルがなぜ勝負を急いだかは謎だ。

第3試合 シングルマッチ30分1本勝負
×シュガー佐藤 輝優優
(13分38秒、足折り固め)
序盤、輝はシュガーの足に集中攻撃。現在は植松とのタッグが多いものの、シングルでじっくり型の試合をさせると、輝は同世代の中では抜きん出た安定感を見せる。
その輝の足攻めに対し、ボディアタックで活路を開いたシュガーは、ライガーボム、急角度の裏投げ、更にセコンドの植松もまとめて雲龍で踏み潰すが、輝はカウンターのエルボーで攻守を瞬時に入れ替え、あわやの3カウントを奪う。
力と技のぶつかりあう真っ向勝負を制したのは、輝の変化球。シュガーが雷電からフォールに行くと、セコンドのKAORUが伊東レフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。伊東レフェリーがKAORUに注意を奪われると、植松が死角からミサイルキックを叩き込み、倒れたシュガーに輝がすぐさまジャンピング式レッグロールクラッチを決めて、一気にカウント3。見事なブラインドプレーでズル勝ちに成功した。

セミファイナル タッグマッチ45分1本勝負
長与千種 ライオネス飛鳥
Hikaru(全女) 林ひとみ
○Hikaru(17分39秒、スパインボム→エビ固め)林ひとみ×
試合は林とHikaruの先発でスタート。Hikaruのドロップキックに触発されたか、序盤、長与、飛鳥もドロップキックを披露する。
林はHikaruを意識。指名してリングに誘い出すと、当たりの強いタックルで吹っ飛ばす。Hikaruがドロップキック連打で対抗すると、林もドロップキックを繰り出す。林は新人には珍しく、ドロップキックを滅多に出さないが、時たま出すと、ウェートがあるだけに結構な破壊力を誇る。
終盤、Hikaruと林は意地の張り合い。林はブレーンバスターを狙い、一度はバランスを崩しかけるが、空中でHikaruの体をキープしたまま、再び力でグイーンと担ぎ上げ直して投げきる。これは凄い!客席もドッと沸く。
更にリバース・スプラッシュでフォールを狙うが、Hikaruはこれを返して変形のフロントネックロック。林はなんとかロープに逃れるが、飛鳥のラリアット誤爆からHikaruのスパインバスターを食らうと、返せず敗退。

試合後、4選手が健闘を讃えあっていると、いきなりシャーク土屋が登場。
土屋は「久々に暴れたくなって、来てみました。飛鳥さんお久しぶりです。昔、一緒に暴れてましたよねぇ。…昔のほうが格好良かったですよ…」と、飛鳥にマイク。
ここで少し補足すると、土屋の言う“昔”とは、飛鳥がGAEAに乗り込んでくる少し前のヒール時代を指す。復帰後、自身の方向性に迷っていた飛鳥は土屋、イーグルと出会いユニットを結成。飛鳥の裁恐軍、土屋の猛毒隊、イーグルの平成GUREN隊を統合した、その名も“裁恐猛毒GUREN隊”を率い、J'd(当時)、LL、FMWを股にかけて暴れ回った。そして、そこで築いた絶対的なヒールとしてのステータスを武器に、飛鳥はGAEAマットへ単身乗り込み、SSU抗争を経て、現在のクラッシュ2000へと至っている。
つまり、土屋は飛鳥にとって、転機のキッカケとなったある種"恩人"なのである(それは飛鳥も当時のインタビューで語っている)。

しかし、ここで状況を見ていた永島が登場し、「アタシがお前の相手をしてやるよ!お前は覚えてないかもしれないけどな、10年前、私はお前にボコボコにされてるんだよ!それと、この前のOZ興行の時に火を吹きやがって…。OZの4人で会場に謝ったんだからな!このサメ!」と対戦に名乗り。

OZの件はさておき、永島の“10年前”も少し補足すると…GAEA旗揚げの年、つまり永島のデビューした年、長与と土屋の1年に渡る抗争があり、その時、FMWに乗り込む長与のパートナーに直訴したのが、当時の永島だった。しかし、当然、土屋の目線は長与に向けられており、永島は長与を感情的にさせるための“材料”扱いでボコボコにされた。その後も永島は、vsFMW要員として抗争には関わったが、ついに土屋の目線には入ることなく、抗争は川崎球場で終結した(参照)。

長く表舞台から消え去っていたものの、GAEA、長与、飛鳥とは、深い関わりを持つシャーク土屋。
土屋はバックステージで「ライオネス飛鳥ってベビーなの? 昔のほうが格好よくねぇか?今の飛鳥さんに付いて行きますって、自分は言えねぇな。永島?10年前の事なんて、覚えてねぇよ」と、含みのあるコメントを残した。
これは「暴れたいだけ」の気まぐれなのか?それとも、リアルヒール・最後の大勝負なのか?
後者だとしたら、キーワードになるのは“歴史”だ。

メインイベント 6人タッグマッチ60分1本勝負
アジャ・コング 豊田真奈美
アメージング・コング カルロス天野
植松寿絵 ダイナマイト・関西
×植松寿絵(18分02秒、カルロスゴーン→体固め)カルロス天野○
序盤、植松は豊田の超滞空ダブルアームで逆さまにされたり、関西のミドルキック→豊田のドロップキックを貼り付けにされたまま食らったりと、相変わらずヒドい目に。やっとこ、ダブルコングが天野を押さえたところにミサイルキックを放つが、天野にかわされ、ダブルコングに誤爆。しかもダブルコングにも跳ね返されて、一人でマットに落下して頭を打つ。
中盤、関西とアジャはド迫力のぶつかり合い。キック合戦を経てのラリアット合戦は関西に軍配。
試合全体を通して目立っていたのは豊田とアメコンの攻防。豊田がジャーマンで投げれば、アメコンは1回転ラリアットからスパイラルボム、アメコンプレスと猛攻。しかし、豊田のムーンサルトをかわしきれず、ヒザが肩口を直撃して大ダメージ。
終盤、豊田のミサイルキックのアシストを受けた天野は、植松に“その場飛び”カルロスゴーン。更に、アジャにもコーナーから重力落下式のカルロスゴーンを叩き込んで植松を孤立させると、たっぷり助走をつけて、再度のカルロス・ゴーンでカウント3。

試合後、天野はアメコンを挑発。アジャに「英語で言えよ」と突っ込まれると、「次も、絶対、WINだ!」と力強く宣言したが、通じたのか?更にバックステージでは豊田に「条件飲んであげたんだから、勝ったら半分ずつの750万円にしない?」と突っ込まれ、「いや……あれは一応、OZ4人のものなので、即答はちょっと……」と、4人のものを勝手に賭けておきながら、言葉を濁した。

■ 負傷欠場選手:里村明衣子、KAORU、山田敏代、加藤園子