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EDGE OF THE HEART
 2004年03月21日 東京・後楽園ホール
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
×広田さくら 山田敏代
(14分06秒、フィンガーロック)
第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
浜田文子 ライオネス飛鳥
カルロス天野 豊田真奈美
○浜田文子(13分08秒、APクロス→片エビ固め)豊田真奈美×
第3試合 シングルマッチ30分1本勝負
×ダイナマイト・関西 尾崎魔弓
(13分13秒、エビ固め)
第4試合 タッグマッチ30分1本勝負
長与千種 デビル雅美
林ひとみ アジャ・コング
×林ひとみ(12分19秒、裏拳→体固め)アジャ・コング○
セミファイナル シングルマッチ45分1本勝負
里村明衣子 元気美佐恵(NEO)×
(18分02秒、スコーピオライジング→片エビ固め)
 BPM、NEOと2度の前哨戦を経て、ついにシングル戦を迎えた両雄。里村…というか、GAEAにイチモツもニモツもある(と思われる)元気は、敵地にも威風堂々のリングイン。
 ゴング前、両者はにらみ合いから突き飛ばし合い、それが次第に逆水平とエルボーの打ち合いになり、そのままゴング。元気は里村をリフトアップすると、そのまま場外へ投げ捨て、椅子を持ってリングへ。コーナーに立てた椅子に里村を叩きつけると、背を向けた里村に、後ろから椅子を無造作に投げつける。
 張り手合戦で元気をグラつかせた里村は、ドロップキックから腕を取り、グラウンドへ持ち込むと「お前、殴ることしか出来ないのか」と挑発。怒った元気は上になって頬骨をヒジでグリグリやると、「ニーだって出来るんだよ」と、顔面にエグいニーを落とす。
 2度目の場外戦では、元気が四方に向けて、見せつけるように重い逆水平。「もっと応援してやれよ」と、観客を煽る。これに対し、里村もエルボースマッシュを四方でカマし、最後の一発で元気をフェンスの外まで吹っ飛ばす。
 再びリングに戻ると、元気は滞空時間の長いバックドロップ、ラリアット、ケンカキックの連打。このケンカキックのうちの一発が里村の右目を直撃し、里村は視界不良になるが、元気はお構いなしに延髄ラリアット。そして里村をロープに振るが、里村はグロッギーとなり走れず。
 しかし、逆に元気がロープに走ると、里村はカウンターのソバットで反撃。これで元気が尻餅をつくと、顔面へ強烈なミドルキックを一閃し、報復。このあたりから会場の熱が一気に上がり、両者倒れる中、先に起きた里村がダッシュするも、元気はこれを捉えてハイアングルのチョークスラム。更にローリングラリアットから、一気にGドライバー!
 これを里村が何とか返すと、元気は再度Gドライバーを狙うが、里村は後方に着地すると、ドラゴンスリーパーから、スリーパーへ移行。元気がエスケープすると、間髪入れず後頭部→前頭部にソバットを連打し、巨体を担いでデスバレー。これを返されると、アックスキックで追撃。
 これも元気が返すと、両者は意地になって張り手の応酬。更に、倒れながらもはいつくばったままキック、張り手をブチ込み合い、再びスタンドになっても張り手、キック、掌底が飛び交う。乱戦の中、元気は強引にローリングラリアット。里村は何とかキックアウトするも、元気はスピアで突進。しかし、里村はドンピシャのタイミングでヒザをあわせてこれを叩き落すと、オーバーヘッドから一気にスコーピオライジングを決めてカウント3。
 「お前に3つ取られるぐらいなら、死んだほうがマシだ」
 「お前から取るまでは終わらねぇよ」
 試合後もお互いに認め合わなかったものの、NEOのバックステージで「自分が席を用意してでも、この試合をベテラン勢にも見て欲しい」と語っていた里村と、あえてベテラン勢まで含めてGAEAを挑発した元気。里村vs元気ではなく、BP世代vsベテランという括りでこの試合を見た場合、実はこの試合に対する共通の思いもあったのでは?特筆すべきは、技の無駄打ちがほとんどなかったこと。バチバチの打撃戦に目が行きがちながら、しっかりと芯の通った試合展開は賞賛に値。

 そして試合後、セコンドの文子がリングに上がり、4・30代々木での防衛戦の相手に里村を指名。やはり文子が「心に決めていた相手」は里村…。里村は「チャンスをありがとうございます。残り一ヶ月…負けないように練習します」と謙虚に受諾し、代々木のメインイベント・AAAWシングル選手権試合が正式決定。
 この試合は両者のシングル初対決であると同時に、平成世代同士による初のビッグマッチのメインイベント。両者にとっては、勝敗・ベルト・試合内容…そして観客動員まで含め、デビュー以来、最大の勝負であることは間違いない。

メインイベント AAAWタッグ選手権試合 タッグマッチ60分1本勝負
植松寿絵 シュガー佐藤
輝優優
(王者組)
永島千佳世
(挑戦者組)
×植松寿絵(16分35秒、雷電→体固め)シュガー佐藤○
王者組、4度目の防衛に失敗/シュガー&永島、第12代王者
 前日の“緊急"タイトル戦もクリアし、2日連続の防衛戦を迎えた植松組。この試合をクリアすると、史上最多の4度目の防衛成功というハクと、そして代々木でのタイトルマッチ出場が見えてくる(ベルト戴冠の日はさっぱり見えないが…)という、とても重要な一戦。
 序盤は両チーム探りあい。シュガーの土俵入りからの四股スタンプ=“雲龍"を植松がパクれば、シュガーも植松の“コーナーでダウンする相手をバカにする変なステップ"をパクってお返し。永島が植松ばりにシュガーの肩にピョンと飛び乗ってそこからフットスタンプを投下すれば、植松もすぐさま本家とばかり輝の肩に飛び乗り、ジェットプール式の合体ボディプレスで反撃。
 試合が動き出したのはやはり場外戦から。最初の場外は植松とシュガーがカウント16で生還するが、2度目の場外では永島が南側入場口上から植松にフットスタンプを叩き込み、先にリングに生還。カウントが進んでも植松は一向に戻る気配が見えず、これであっさりリングアウト負けかと思いきや、カウント19で突如イリュージョンのようにリングイン。どうやらこっそりと東側ロビーを回って戻ってきた模様で、南側後方以外の観客は、植松がフットスタンプを食らった南側中段に視線を集中していたため、完全に死角に。これはやられた!
 終盤はシュガー組が場外戦を許さず、リング内の攻防に。シュガーは植松をボディアタックで豪快に吹き飛ばすと、2度のドラゴンも返し、最後は復帰後初の“雷電"(ドロップは本人の意向で取っちゃいます)で植松の体の上にドスンと尻餅。豪快に圧殺してベルト奪還に成功。

 試合後、マイクを持った植松は「負けは認めるが、最後に一つだけ言わせてくれ!お前らのそのベルト!…一回でいいから巻いて写真を撮らせてください…」と、トホホなマイク。
 バカ負けした新王者も同期のよしみで了承し、植松・輝はめでたく王座奪取後、初の記念撮影。必要以上に色々なポーズをとって満足げだったが、そのベルトは上下逆に巻かれていた…。

 そして、改めての新王者の表彰式後、永島がマイク。植松組と一転、途中で一瞬感極まり、言葉に詰まりながらの永島のマイクに会場も厳粛な雰囲気に。「もう何年も前から世代交代と言われていて、自分も成仏させると言って、何度かベテラン選手にも勝って…それでも、果たして世代交代が出来ているのか…自分にも分かりません。シュガーも帰って来て、こうしてチャンピオンになって、もうどうしても避けられない相手がいます。これまで自分がやってきたこと、BPMも全部背負って、代々木でのタイトルマッチの相手に…クラッシュ2000を指名します」
 永島に呼ばれ、場内に登場した長与と飛鳥も対戦を受諾。そして飛鳥は「自分たちも覚悟を持って闘います。もしかしたら、これが最後になるかもしれません…。千種とこのリングで初めて戦ったのが数年前の4月4日…だから次の後楽園、覚悟を示す意味でも、組む前に一度千種とシングルで戦わせて下さい」と、長与とのシングル戦を要求。

 シングル王座戦が世代間の“間接対決"ならば、タッグ王座戦はまさに“直接対決"。クラッシュも、腹を括ったかのごとく、4・4後楽園での間接勝負に名乗りを挙げた。それでも、対決の日を“運命の4・4"に設定し、時間すらもケレン味に変える術はクラッシュならでは。“話題性"も勝負の一つだけに、すでに最初のアドバンテージはクラッシュが握った。
 そして気になるのは飛鳥の言葉。仮にタッグ王座奪取に成功した場合、防衛戦で組むことは必定としても、様々なシチュエーションや残りの時間を考慮すると、両者のシングル対決は、言葉どおりこれが最後となる可能性は高い。
 代々木まで残り一ヶ月…半年前に永島の一言で幕を開けた世代闘争、その結末は4・30 2大タイトル戦へと収束される!


欠場選手:加藤園子 / KAORU