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2003年11月30日 東京・後楽園ホール
第1試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
ライオネス飛鳥 尾崎魔弓
アジャ・コング KAORU
浜田文子 大向美智子
×浜田文子(21分56秒、シャイニングヤクザ→片エビ固め)尾崎魔弓○
GAEAマット初参戦の大向は、D-FIXとのトリオとあって出方が注目されたが、スタートはアジャとじっくりグラウンド。試合が荒れ出すと、長身からのカカト落しやパンチといった打撃技を繰り出す。
中盤、D-FIXは毒霧、チェーン裏拳などを繰り出すが、伊東レフェリーは全てチェックし、フォールを認めず。それでも大向のSウィザード→KAORUの619→尾崎のSヤクザを文子に3連発で叩き込み、トドメのSヤクザを狙うが、文子はこれをキャッチすると、APクロス。
しかし、カットした大向がレフェリーの隙を突いてチェーンアッパーを叩き込み、すぐさま尾崎がSヤクザを打ち込んで文子からカウント3。
アジャ、飛鳥が文子を気遣う中、D-FIXは退散。お姉二人に挟まれ、やや大人しめだった大向の今後は?
また、この試合を最後に12月大会を欠場するKAORUは、別段、いつもと変わらない動きを見せていたが…。
第2試合 シングルマッチ30分1本勝負
デビル雅美 お船(K-DOJO)×
(4分33秒、パワーボム→エビ固め)
ゴングと同時にデビルはいきなりパワーボム。お船は何とかカウント2で返す。
逆水平合戦はお船の連打にデビルが重い一発で対抗し、圧勝。お船はフロントネックロック、カッター、お船DEピョンなどを繰り出すが、力の差はいかんともし難し。ラリアットはクリアしたものの、パワーボムであっさりフォール負け。
試合後、デビルは「お船選手、試合を受けて頂いてありがとうございました」と一礼した後、含蓄のあるマイク。「プロとして一人前になった時には、またお相手させて頂きます」と締めて、深々と頭を下げるお船の手を取り、笑顔でその手を挙げてから退場。
第3試合 タッグマッチ30分1本勝負
輝優優 長与千種
植松寿絵 山田敏代
×輝優優(10分29秒、反則勝ち)山田敏代○
植松は名古屋同様、長与のヒザ狙い。輝も同調し、集中攻撃。輝は場外戦の最中、無造作に椅子で長与のヒザを打ち抜くなど、むしろ植松よりエグい攻めを見せる。
反撃の長与は「こうやるんだ」とばかりに椅子の上にニークラッシャー。更に植松、輝に続けざまにドラゴンスクリュー。
しかし、植松組は再び長与のヒザに集中砲火。植松がレフェリーの死角を突いて指にカイザーナックルを装着。パンチでニーブレスを打ち抜くと、長与は戦闘不能に。
そして孤立した山田を輝がいたぶり、植松組の勝利かと思いきや、輝はフォールにいかず、執拗にチョーク攻撃。再三の警告にも関わらず、絞め続けたため、ついに反則負けに。
不完全燃焼の結末に場内からは「えー」「つまんなーい」の声。
誤解を恐れず言えば、“相手の悪いところを狙う”という行為は、別に悪いことではなく、特に今のようにベテランvs中堅という対立概念のある戦いにおいては、“勝つための手段”としてむしろ正当でさえある。
但し「いつもいつも前半戦で、何かあれば里村、永島。だったら、前半戦で好き勝手やらしてもらう」という植松たちのコメントから察するにつけ、今回の場合はそれとはまったく意味が異なる、確信犯的暴走の可能性が高い。
2人の行動がショートスパンの反乱行為なのか、あるいは退路を断っての大勝負なのか?その意味で12・7大阪の長与&広田戦と、最終戦のハイスパート“600”は、“腹の括り具合”がシビアに試されることになるだろう。
もう一つ誤解を恐れずに言えば、不完全燃焼だって、極めれば立派なジャンルになる……かも知れない。

なお、休憩時間にシュガーが来年1月の復帰を報告。そして、3回目のBPM開催を宣言。
セミファイナル AAAWタッグ選手権試合60分1本勝負
永島千佳世 カルロス天野
里村明衣子
(王者組)
広田さくら
(挑戦者組)
○永島千佳世(21分49秒、フィッシャーマンズバスター→体固め)広田さくら×
※王者組初防衛に成功
試合前、広田は「今日勝って発表する」予定のタッグチーム名の候補を一部発表。続いて“気合の儀式”を見せる。
相変わらずの広田はゴングが鳴ってもペースを崩さず、後ろから里村のこめかみの経絡秘孔を突き(北斗残悔拳)、「お前はすでに死んでいる…」。里村をオチョくる広田は、心底楽しそう。
広田から天野にスイッチすると、攻防は一気にスピードアップ。天野がトリッキーなヘッドスプリングで里村を幻惑すると、里村は腕を取っての側転から、サイドスープレックス一閃。
中盤からは広田も勝ち狙いにスイッチし、ライオンサルトを繰り出すが、里村はヒザを立ててカット。広田の張り手連打も後ろ回し蹴り一発で蹴散らす。
しかし、このあたりから天野が本領を発揮。永島にカルロスゴーンを連発し、里村にはタイガースープレックス。更にデスバレーボムを昨年のHS600で見せた倒立式三角絞めに切り返し、里村をグッタリさせると、代わった永島にも上からの三角絞め。広田が里村をときめきメモリアルでカットし、これが長時間決まると、場内あわやの空気。
押せ押せの挑戦者組は、広田が逆さ押さえ込み、雪崩式フランケンシュタイナー、倒立からのアストロシザースなど、硬軟取り混ぜた技を繰り出し、カウント2.9の連続。里村のオーバーヘッドを受けての永島のフィッシャーマンも自力で返す。そして、永島の前宙フットスタンプをかわすと、背後から急角度のボラギノール!
ここが勝負と見た天野&広田は初公開のサンドイッチ式カルロスゴーン!しかし…これが痛恨の同士討ち!
王者組はこの隙を逃さず、里村が広田の腹に強烈なソバット。吹っ飛んだ広田を永島がフィッシャーマンで捕獲し、一気にカウント3!この畳み込みはお見事!
王者組は大苦戦しながらもV1達成。木村社長も認定証授与の際に「危なかった」と労をねぎらう。
そして永島がベルトを巻いてもらうため両手を挙げると、背後から広田がHHHベルトを…。更に王者組の記念撮影の際には、後ろでHHHベルトを肩に掛け、ちゃっかり見切れようとする。
さて、試合後のバックステージ。「勝ってチーム名発表」の公約を果たせなかった広田組は、「お前のせいだコラ!」「なんだとコラ!」と、どこかで聞いたような口論。
更に「もう解散だ!」と天野が退席すると、広田は「噛みつくぞコラ!タコ、コラ!」そして「私たち、ときめきボラギノールは…」と、仲間割れしてからポツリとチーム名らしきものを公表。果たして“ときボラ”が正式名称なのかも不明のまま、控室へと消えたという。
ちなみに次回大阪では、広田は長与とタッグ。エキセントリックとしての登場が予想されるだけに、本当にこのままチームは解散してしまうのか?
もしそうだとしたら、引っ張りに引っ張ったチーム名募集って一体…。
メインイベント AAAWシングル選手権試合60分1本勝負
×豊田真奈美
(王者)
ダイナマイト・関西
(挑戦者)
(21分29秒、グリーンフォール→片エビ固め)
ダイナマイト・関西、第10代王者
豊田はいきなり場外戦に持ち込むと、コーナーから場外へのミサイルキックで先制。
関西はラリアットで豊田を一回転させるも、豊田はすぐさまジャーマンでお返しし、コーナーにはりつけると、リングシューズでパコーンと顔面にハイキック!
なおも豊田は足4の字、ローリングクレイドルでペースを掴むが、関西はムーンサルトをヒザで防いで反撃。フットスタンプで大きなダメージを与える。
豊田はミサイルキック4連発からサイクロン。関西のスプラッシュマウンテンも1で返して大魔神ポーズ。関西は「なんじゃコイツ…」といった表情で思わず後ずさり。
しかし、スプラッシュのダメージは残っており、このあたりから豊田の動きがガクッと落ちる。それでも豊田は関西を担ぎ上げると、スプラッシュマウンテン!
関西のグリーンフォールも返し、クインビーでフィニッシュを宣告。これがグシャッと決まるも、関西は何とか肩を上げる。
両者フラフラの中、関西は顔面キック。そして後ろに回って豊田を肩車すると、先ほどのお返しとばかり、JOサイクロン!
この落差&精神的ダメージ十分の一撃で豊田の動きが完全に止まり、最後は関西が渾身のグリーンフォールを叩き込んでカウント3。
関西のベルト奪取に場内は暖かい歓声。関西は腰のベルトをサワサワして、本当にうれしそうな表情。
一方の豊田はコーナーにしばらく顔をうずめた後、観客に礼をして退場。

関西はスケジュールは未定ながら、12・14後楽園での、ハイスパート・トーナメント優勝者との防衛戦が早々に決定。
一方の豊田は次回12・7大阪では、里村と文体以来のシングルマッチが決定済み。
再び里村を下した豊田が、すぐさまトップコンテンダーの資格を手にするか?
あるいは里村が豊田戦を制し、ハイスパート・トーナメントへ弾みをつけるか?
年末年始の動向を大きく左右するであろう、両者のシングル戦に期待!!