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2003年09月15日 愛知・枇杷島スポーツセンター
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
○ライオネス飛鳥 広田さくら×
(8分43秒、エビ固め)
今日は“前説”なしの広田はガウンを新調して登場。
しかし、リングインすると現在のGAEAが“奇数”で、明らかに自分が余っていることを嘆き、「昨日は名古屋で、世界の荒鷲が息子にいいとこ見せたのに、あたしゃ母・世津子の前で余りカード…」と、グチ。
そしてガウンを脱ぐと、下はポリスのコスプレ(中は例の筋肉Tシャツ)。
その特徴を掴んだ立ち振る舞いは観客を大いに沸かせるが、肝心の試合はやや低調。
「この後、大事な試合を控えている」飛鳥がクルリと丸め込んでフォール勝ち。
試合後、茶化されて怒ったポリスが乱入し、飛鳥と一触即発。
やり取りを見ていた広田は「えー、試合がメインの前説になりましたが・・・」と、自虐的なオチ。
第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
永島千佳世 アジャ・コング
植松寿絵 山田敏代
×植松寿絵(13分46秒、垂直落下式ブレーンバスターから片エビ固め)アジャ・コング○
序盤、永島が山田に仕掛けたコルバタが崩れ、永島が首を負傷。
しかし中盤には回復し、アジャに対し、植松と交互にミサイルキックの乱れ打ち。
アジャはダイビングエルボー、ラリアット、植松はドラゴンを決めるも、いずれもカウント2。
最後は植松の首固め狙いを強引に持ち上げ、そのまま垂直落下を決めたアジャが勝利。
第3試合 シングルマッチ30分1本勝負
×カルロス天野 デビル雅美○
(13分54秒、ファイヤーバレーから体固め)
序盤、ゴチンゴチン音を立てながらのヘッドバット合戦は互角も、胴絞めスリーパーでデビルがペースを握る。
中盤、天野は腕に的を絞り、十字攻め。珍しく腕へのフットスタンプも投下し、なおも十字を狙う。
更にデビルがカカト落としを狙うと、これをキャッチし、アンクルホールド。
パワーボム、ライガーボムも腹筋を駆使して切り返す。
天野はフラフラになりながらも、隙を突いてタイガースープレックス。
デビルはこれを何とか返すと、タメにタメて、ファイアーバレーでフォール勝ち。
またも天野敗戦も、前回の後楽園に続き、技のムダ打ちがほとんどない好内容の一戦。
セミファイナル シングルマッチ45分1本勝負
○里村明衣子 輝優優×
(17分41秒、スコーピオライジングから片エビ固め)
序盤はグラウンドの攻防。ランカシャー風の動きを見せる里村に対しても、輝はオールマイティーに対応し、むしろパワーを利して押し込む。
今は結果が出ていないが、やはりアスリートとしての潜在的なポテンシャルは凄く高い。
里村が輝の首四の字を倒立で脱出するとローキック合戦。スピードは里村、重さは輝。
しかしこれは、輝がレッグラリアットにスイッチして打ち勝つ。
終盤、両者の得意技が飛び交う中、輝がダッシュしたところを里村がカウンターのエルボースマッシュで迎撃。
輝も怯まず、再度ダッシュとして強烈なランニングエルボー。
しかし最後は里村がボディへのソバットでヒザをつかせ、スコーピオ・ライジングを叩き込んでカウント3。
試合後、勝った里村はロープ越しに指を1本立てて、再戦の意思表示。
いわゆるBPM世代の遺恨・因縁のない純粋な試合は、「息詰まる攻防」とするか「あまり沸かなかった」で片付けるか、評価の分かれるところでは。
メインイベント タッグマッチ60分1本勝負
長与千種 尾崎魔弓
ライオネス飛鳥 KAORU
ダイナマイト・関西 ポリス
○ライオネス飛鳥(15分51秒、急所へのダイビングヘッドバットから片エビ固め)ポリス×
長与組の奇襲で攻防はスタートからノンストップ。
長与はポリスを捕まえ、滞空時間の長いブレーンバスター。
チョップ合戦も悠々打ち勝つが、ポリスも意地のラリアット3連打で長与をマットに倒す。
D-FIXは序盤はポリスとなかなかタッチせず、体力を温存(これでポリスは著しくスタミナを消費)。
しかし、長与が流血するとハイエナのように群がり、椅子で足をメッタ打ちにするなど、逆にタッチを許さない。
ようやく関西に代わると、関西は尾崎を担いでスプラッシュの体勢へ。KAORU、ポリスがカットに入るも、ことごとくブレーンクローで鷲づかみ、スプラッシュをズドン。
ところが、長与組は再び長与がつかまり劣勢に。尾崎組は619→Sヤクザ、エクスカリバーと畳み込み、スチールパイプを手にすると、コンチェアト狙い。
飛鳥は身を挺してこれを守ると、スチールパイプもろともダブルラリアットでD-FIXをなぎ倒す。
更にポリスを引きずり出すとコーナーに詰め、関西→長与→飛鳥の順でラリアット3連打から、机フットスタンプ!
トリプルパワーボムからハイキック3連打、KAORUのブート、尾崎の裏拳誤爆を誘発し、追撃の逆回し蹴り!
最後はこれでもかと技を食らいまくり、グロッギーとなったポリスの両足を関西と長与が開き、そこに飛鳥がダイビングヘッドバッド!
女性ファンの喚起の悲鳴と、男性ファンの違った意味での悲鳴が交錯する中、ポリス、ついに沈没。これにて永久追放決定…。
試合後、尾崎は「テメーら、素人倒して何喜んでんだ!」と、過去に自らが語った“ポリス=総合格闘家説”を覆すマイク。
KAORUは「チンチンはダメでしょ!反則だよ、反則!」とクレーム。
しかし飛鳥は「ここは女子のリングなんだよ。反則にはならないだろ」とあっさり却下。
そして「ポリス、お前、今日で男としても終ったな!」と格好良すぎる決め台詞。
場内の歓声の中、長与組は万歳三唱。一方のポリスは「出てけ」コールの中、最後まで罵声を浴びて退場。

バックステージでは、尾崎&KAORUのみコメント。
2人は「ポリスは今日で終わり。次はもっとイケメン探さないと」と、あっさりポリスに見切りをつけつつも、「でも、最後のは反則。あれは絶対おかしい」と、引きずりそうな気配を漂わせる難クセ。
そして、シングル暫定王座権を逃したことについては「よく考えたけど、やっぱり暫定って格好よくないし」「っつうか、暫定って何かよくわかんないし」「チャンピオン決まってから挑戦すればいいし」と、負け惜しみ込みのポジティブ・シンキング。
今後については「負けると思ってなかったから」と、ケムに巻く。

さて、“最後まで嫌われて辞める”という、ヒールとしては、実は最高に格好いい美学を貫き、男らしく?姿を消したポリス。
2000年5月、有明での唐突な初登場から、卑弥呼、D-FIX(途中、P&A)にコキ使われながらも最後まで尾崎に従事し、全国各地で罵声を浴びまくった男が、ついにGAEAマットでのマネージャー人生にピリオドを打ちました。
撤収の際、彼のいた青コーナーの下には、大量の紙テープとともに、乱闘で外れたと思われるサングラスの“ネジ”が1つ…。
一度も紙テープに縁のなかった男の破片は、最後の最後に、人知れず山のような紙テープに埋もれて消えていった…。