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2003年06月14日 東京・後楽園ホール
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
×山田敏代(6分14秒、ショルダーロック)KAORU○
KAORUが山田の入場を奇襲。上半身のベストを引っ剥がし、テーピングされた肩を攻撃。
ほぼ一方的な左肩狙いの展開の中、山田はエルボーで反撃し、リバゴリを狙う。
しかし、これを切り返され、肩を固められるとギブアップ。
第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
広田さくら、浜田文子 vs 尾崎魔弓、KAORU
×広田さくら(15分43秒、ヴァルキリースプラッシュから片エビ固め)KAORU○




2試合連続出場のKAORUは、例によって尾崎にプリプリ文句を言いながら入場。尾崎はそれを聞きながら、煙草をプカ〜。
対する文子組はダブル文子で登場し、2人揃って前転式リングインで決めポーズ。今回の文子仕様のガウン&水着は、シルバー部分を全てアルミホイルで再現した、広田史上屈指の力作で、敵のKAORUも思わず感心…。
試合はニセ文子が先発し、ホンモノ文子の立ち上がりのムーブを忠実に再現。これに思わずKAORUが付き合ってしまうと、尾崎は「付き合うな!」更にニセ文子がKAORUの頭になぜか木魚を乗せ、ポクポク叩き出すと、またもKAORUは座禅で付き合ってしまい、尾崎は「だ〜から、付き合うなって!」。
中盤はKAORUが机片を自在に駆使。広田の「よっしゃ行くぞー」からの鎌固めを机片を立てて待ち構えると、ブリッジした広田の背中に机片がブスリ。更にダウンする広田に、恐怖の“垂直落下式机の角”を敢行(間一髪回避!)。
一転、尾崎はシリアスモード。凶器、ポリスを絡めたラフ攻撃で攻め込むが、ダッシュしての掌底を狙うと、広田はこれにドンピシャのタイミングで自分の掌を合わせて迎撃。次の瞬間、パチーン!と乾いた音が響き渡り、両者「痛って〜!!」これに場内どよめき&爆笑。
更に広田はシャイニングウィザードを狙うも、尾崎は足を引いてブロック。これに広田がクレームをつけ、尾崎が渋々足を出すと、広田は尾崎の向う脛をカツン!
怒ったD-FIXは、広田に集中攻撃。雪崩式バックドロップ、パワーボムと畳み掛け、文子のいつも以上に強烈なスピンキック誤爆を挟んでスーパーパワーボムへ。ところが、広田はこれを雪崩式フランケン(出来たのか!)に切り返し逆転。最後はKAORUのヴァルキリー・スプラッシュに沈んだものの、終盤には逆さ押さえ込みであわやのシーンを作るなど、大車輪の活躍でおいしいとこ取りに成功。ほとんど出ずっぱりだったのは、負傷中の文子への気遣いか、単なる目立ちたがり屋か…。

試合後、ブラックジョーカーが登場し、尾崎の挑発でズラズラと大挙してリングイン。尾崎がマイクを持つと、なぜか広田がそれを奪い「お前らは、LLPW6・26代々木大会で、D-FIXと対戦する、ヒール軍団、ブラックジョーカーだな」と、必要以上に説明的なマイク。更に「おい、風間……と、その他モロモロの連中!」と、イーグル様を“モロモロ”呼ばわりしたかと思えば、小河に対しては「君、眉毛太すぎない?」。更に更に風間には「お前が引退する前に言いたい事があったんだ…バッキューン!」と、BJをイジり倒す。そんな広田を大人の対応でいなしたBJは、挨拶とばかり突っかかってきたポリスをコーナーに詰めると、次々にラリアットを見舞い、最後に加速をつけたイーグルの巨体がポリスを圧殺!場内は…大歓声!!
尾崎はマンガのようにペラペラになったポリスに「お前、男だろ。やり返せよ!」
第3試合 タッグマッチ30分1本勝負
長与千種、ダイナマイト・関西 vs 植松寿絵、輝優優
○長与千種(4分06秒、ランニングスリーから片エビ固め)植松寿絵×
関西と輝でスタートした試合は、輝がエアプレーンで関西の巨体を振り回し、植松は長距離ミサイルキックを関西の横っツラにガツン!
これに対し、関西はお返しのバックドロップを見舞い、長与にスイッチ。
長与は関西に続きバックドロップ×2。更に怒声を浴びせながらストンピング。植松は下からのジャンピングアッパーを長与のアゴに打ち込むも、長与は微動だにせず、逆にテキサス式のナックル連打で植松を怯ませると、一気にランニングスリーを2連発。特に2発目の威力は凄まじく、登場から約1分で、あっという間にカウント3を奪取。
会場の空気を一瞬で変えた長与は、不機嫌な表情のまま退場。植松は呆然、異変を察知した関西も、すぐに長与の後を追って退場。
第4試合 "GAEAvs元全"シングルバウト パート1 30分1本勝負
×カルロス天野(11分03秒、首4の字固め)デビル雅美○
天野の奇襲を察知したデビルは、これを阻止してゴングと同時にライガーボム!これがあわや秒殺のきわどいタイミング。 何とか体勢を立て直した天野は、デビルの腕に集中攻撃。執拗に腕ひしぎを仕掛けると、デビルは「こざかしい!」とばかりに、強引にファイアーバレー!これは腕のダメージでカバーが遅れ、カウント2。
デビルのハイ・インパクトな大技の隙をつき、天野が執拗に腕を狙う攻防は、一点攻撃が功を奏し、天野優勢。デビルは腕を押さえて悶絶。
デビルはスリーパーを繰り出すも、腕のダメージで絞めが甘く、天野はすかさずそこを腕十字。しかし、デビルはこれを耐え切り、カカト落としを2連発。そして後ろを見せた天野に…首四の字!!腕がダメなら…と、ここ一番で飛び出した、クラシカルな技でぐいぐい絞め上げると、ほどなくして天野ばギブアップ。
技が進化し尽くしたこの時代に、“首四の字”で勝負を決めたデビル…ベテラン恐るべし。
第5試合 "GAEAvs元全"シングルバウト パート2 30分1本勝負
×永島千佳世(14分59秒、LSDIIIから片エビ固め)ライオネス飛鳥○
序盤からラフな展開となったこの試合、スタイル的には飛鳥有利かと思いきや、永島も堂々応戦。場外戦でもほぼ互角に渡り合い、南側音響ブースの階段(後楽園ホールの一番高いところ)からフットスタンプを投下し、カウント16でリングに生還。
しかし、徐々に体格で勝る飛鳥がペースを掴み、机フットスタンプ、ライガーボム、タワーハッカーと大技を連発。これらを永島がなんとかカウント2でクリアすると、場外パワーボムでダウンさせ、セカンドロープに机をセット。
悲鳴の中、飛鳥はノシノシと机に登り、究極ライガーボムを発射。永島はこれを空中でウラカン・ラナにスイッチし、更にプロペラみたいに回るヘッドシザースからの丸め込みで逆転を狙うも、惜しくもカウント2。
それでも最後は、飛鳥がタワーハッカー、LSDIIIを連続して叩き込んでカウント3を奪取。
試合後、まだまだ余裕とばかりに机を担いで退場しようとした飛鳥だが、ダメージでグラリ。爪痕は残しても、結果が出ない…。
メインイベント "GAEAvs 元全"シングルバウト パート3 30分1本勝負
×里村明衣子(12分55秒、裏拳から片エビ固め)アジャ・コング○




序盤、独特の間合いでなかなか組み合わない里村に、カチンときたか、アジャが厳しい攻め。
打撃のラッシュからヘッドバットを鼻っ柱に叩き込み、コーナーへと押し込む。
中盤、アジャは潰れた一斗缶上に垂直落下式ブレーンバスター。マットの衝撃音と共に「ゴキリ」という嫌な音が響く。
続けてアジャは、ダイビングエルボー、シャイニングウィザード。これに対し、里村はデスバレーで反撃し、スコーピオライジングと見せかけての意表を突いた浴びせ蹴りから、サードロープを利してカカト落とし。アジャがダウンすると、引きずり起こして再度デスバレー。アジャはなんとかカウント2でクリア。張り手合戦からアジャはフェイントの裏拳。里村がこれを返すと、強烈な逆デスバレー。里村はこれもカウント1で返し、スコーピオ狙い。しかし、ダッシュしたところに待っていたのは強烈なカウンター裏拳。疲弊しながらも、アジャが里村を押さえ込んでカウント3。

またも全敗の平成世代に対し、アジャも言葉少な。矛先は長与へと向けられ「どう思う?長与?」とマイクを向ける。
すると、起き上がった里村がマイクを奪い「長与…お前も敵だ。お前も成仏させる」と、突然の宣戦布告。
関西と山田が止めに入ろうとすると、これに天野と永島が蹴り。
打破できぬ現状に対し、強攻策で自ら退路を断った平成世代に対し、長与はクールに「…やってみろ」
そして、アジャ、デビル、飛鳥らと共にバックステージへ。

ベテラン勢が去り、静まり返るリング上、里村は「ホントは勝って、言いたかったんだけど……」と、言いかけて絶句。
すると呼吸も荒く、言葉に詰まる里村に代わり、珍しく天野がマイクを掴む。
「えー…里村は今、とても興奮しています。でも、代わりに自分が言うのもアレなので……後はホームページを見てください」 和むリング上、最後は永島が代弁し「7月5日に団体の枠を越えて同世代だけの大会をやります。きっと未来があるので、みなさん見に来てください」と、マイクでシメ。

バックステージでは、長与が一人でコメント。以下要約。
「自分から離れていくことになると思っていたから、あっちから先に切り出されたのは、意外だった。ただ、『お前』呼ばわりされたんだから、黙っちゃいない。やれるもんなら、やってみろと。アジャ、飛鳥たちとは組んでいく事にはなると思うけど、『元全』という名を使い続けるのであれば、スタンスは置きたい」
これに対し、別コメントのアジャ、飛鳥らは前回の後楽園でも漏らしていた、元全の解消を示唆。存在概念が希薄になりつつあることが、その主たる理由とのこと。
これにより、今後は純然たる昭和世代と平成世代の対立が主流路線となることは確実。
では、再度、同じグループとなった長与と飛鳥、クラッシュ2000のスタンスは?
自分の居ぬ間に構図の変ってしまった、シングル王者・豊田の復帰後のスタンスは?
仮にすんなり合流した場合、豊田と山田の関係は?
外に目を向け出したD-FIXの動向は?
全ての紐解きは、6・22名古屋大会から始まる。



(なお、ピンクの人は観客からの「お前はどーすんだ」の問いに対し、スクラムを組む平成世代に背を向けて退場。7・5の件は、聞いてなかったらしい)