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FEAR AFTER FIRE
2000年09月30日 埼玉・本川越ぺぺホール
観客動員数:1200人
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負

○里村 明衣子
vs
竹内 彩夏×
(15分32秒、腕ひしぎ逆十字固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 蹴りの探り合いから序盤5分はグラウンドの攻防。竹内は里村の腕に狙いを定め、馬乗りになっての腕固めや飛びつきのキーロック、スタンドでも腕に蹴り。対する里村は執拗な逆エビから一転、足ごと肩に担いでのレッグブリーカーからのヒザ十字や前方回転ヒザ十字でヒザ狙い。竹内のチャンスは2度目の腕固めとレッグラリアットからのタイガー。これを受けきった里村は、加藤戦で見せた護身術みたいなスタンドの腕固めもエスケープされると、最後は腕十字で勝利。 竹内はデビュー以来、試合内容的には1番の出来。一方の里村は第1試合でサラッとこういう試合を出来るのは大きな財産。いつでも基本に戻れるのは強みです。
第2試合 シングルマッチ30分1本勝負
 HHH選手権試合

×広田 さくら
vs
植松 寿絵○
(9分24秒、ドラゴンスープレックスホールド)
中島リングアナ・試合のポイント
 広田は巨人優勝記念としてチョーさん(というか、プリティ長嶋)のコスプレで入場。中日の地元出身なのに…。ちなみにこのコスプレの背中の名前の表記は“NAGASIMA”。H抜けてるっつーの。いつぞやの川越のバレーボールの時もTAJIRIがTAGIRIになっているという失態を犯していたが、あれから語学能力は向上していなかった模様。
 いろいろあってめでたくHHH戦となり、試合は野球拳からスタート。いきなり負けた広田はユニフォームを脱ぐハメになるが、脱いだら中にはもう一枚。アイコをはさんで今度は植松が負け。脱ぎかけた植松を見て広田が吐いたところでようやくプロレス開始。出来ればこのネタはKAORU姉との試合で再希望。 やっと試合展開。広田はリープフロッグで急所をぶつけるというマスカラスネタで客を掴むも、植松はすぐにペースを取り、HHHベルトを広田の体に置いてダイビングプレス狙い。ここで広田はベルトを守るために放り投げ、自らはプレスの犠牲に。チャンピオンの鑑だ。中盤、最近多用するロープ際でのギロチンシーソーを決めた広田は、植松をコーナーに押しやり、多分日本人では初公開のスティンク・フェース(ケツを顔面に押しつけてウニウニやる)! 思わずダウンする植松のリアクションに、自分でやっておきながら「おい、そりゃあんまりだろ…」。
 終盤、広田は変形沖縄固め、セクシーコマンドーからのローブロー→YEBISUと畳み込み、ダウンした植松の両足を開き、急所ヘッドバッドを狙うも足でブロックされ顔面を痛打。更に植松に自ら持ち込んだバットで「ニ岡逆転ホームラン!」と叫びながら延髄にフルスイングされグロッギー。最後はダブルリストを空中回転で切り返しオッ!と思わせるも、得意げになってるところを後ろからドラゴンで投げられカウント3。 おお、ついに一期生にもHHHベルトの魔の手が!でも、おもちゃ好きの植松は結構うれしそう。
第3試合 タッグマッチ30分1本勝負

長与 千種

×シュガー佐藤
vs
デビル 雅美○

尾崎 魔弓
(8分43秒、ファイアーバレーから片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 この日の大将はなぜかノリノリ。試合の芯であるデビルとシュガーのカラダのぶつかりあいの中で、機敏な動きがいいカンジのアクセントに。で、このノリノリ大将のとばっちりを食ったのが尾崎。控えにいただけで別に悪いことをしていないのに、いきなりパーン!とアッパーを入れられたり、コーナーにうつぶせに乗せられて下から腹を二段蹴りで蹴り上げられたりと散々。試合はシュガーが豪快なフロントキックなどで客席を沸かせるも、最後はデビルを抱え上げようとして失敗し(スタンピード狙い?)、不意打ち気味にファイアーバレーを食らいカウント3。
 それでも試合後も大将はノリノリ。マイクの矛先はデビルを経て尾崎へ。ここでまたも尾崎は「お前帰れ」「お前、水着破けてるぞ」と散々な言われようで、仏頂面で退散。ポリスへは「お前の名前、田中だろ」とポリスの名前を暴露。田中だったのか、この人は。平田じゃなくて良かったよ。更に話がどこでどう逸れたのか、最後はデビルが広田のHHHベルトに挑戦するという話になり、最後は広田とデビルのスラップスティックでシメ。 でも、デビルさん。広田は今、ベルト持ってないんスよ。
セミファイナル タッグマッチ45分1本勝負

○ライオネス飛鳥

加藤 園子
vs
北斗 晶

KAORU×
(8分35秒、タワーハッカーボムから片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 北斗が園子をシカトし、園子はKAORUをシカト。 KAORUも園子をシカトし、飛鳥はKAORUに素っ気なし。四者四様の珍しい構図なので面白くなるかなと思いましたが、加藤の闘志が空転し非常に“園子よがり”な試合に。最後は逆回し×2からタワーハッカーで飛鳥がKAORUをフォール。 KAORUは調子は悪くはないと思いますが、ここのところは黒星先行。巻き返し期待。
 加藤はらしい言えばらしいのですが、里村や永島が言葉ではなくリング上の説得力で見せているだけに、今日の北斗への口だけの過剰反応はちょっとツライところ。これが1―2年目の選手なら向かっていく姿勢や良し、ですが。 そんな加藤に北斗は今日はあまり火がつかず“デン”止まり。
メインイベント タッグマッチ60分1本勝負

里村 明衣子

×永島 千佳世
vs
ダイナマイト・関西○

山田 敏代
(9分39秒、スプラッシュマウンテンからエビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 先発の山田に対し、里村がススッとグラウンドを仕掛けてサッと引き、タッチした永島もススッとけん制してグラウンドの流れから鮮やかな巻きこみ1本背負い。序盤の何気ない攻防ですが、こうして自分たちの色から試合を組み立てていく作業は、リング上での支配力を増していく上で大きな要素になると思います。 このムーブを経て、試合はほぼノンストップの攻防。里村のパワーと永島のテクニックを組み合わせて斬新な攻撃を繰り出す里村組に対して、関西&山田はキックで対抗。2人とも以前より明らかに当りが強い。互角の攻防は、永島が里村のデスバレーを受けてフットスタンプ、ジャーマンであと一歩まで追い込み、スプラッシュもありとあらゆる方法で切り返しまくるも、客席がどよめいた強烈なサンドイッチキックで動きを止められ、ついにスプラッシュのエジキに。関西&山田はヒジをチョンチョンと合わせてうれしそうに勝利のポーズ。
 チームとしての差はほとんど感じられず、両軍のバランスがいい感じで均衡した好勝負。しいて気になったとすれば、試合後の里村のマイク。主張しようとする姿勢は素晴らしいことですが、1本目も併せて試合に非常に説得力があっただけに、説得力のないアピールはもったいないなと。