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BIG DESTRUCTION
2000年02月27日 IMPホール
観客動員数:800人
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負

○長与 千種
vs
竹内 彩夏×
(10分44秒、ニ‐ルキックから体固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 竹内の当日発表の相手は長与。久々に“BRAVE HEART”で入場。
 さて、試合の大半は長与がオーソドックスな技で竹内を攻めたてる展開。バックを取ってのフェースロック、ハンマーロックで絞め上げる、ボディシザースから反転してフォール、トーホールドからインディアン・デスロックと、繰り出す技はベーシック中のベーシック。ただし、竹内はほとんどこれらを返せず。特にバックを取られたシーンでは、何をやっても相手が動じず、明らかに焦っていました。
 軽い選手相手だと、一見、出来ていたように見える基本中の基本が、重い選手相手になると全く通用しないという現実。 長与千種の久しぶりの“問いかけ試合”は、逆にトーホールドでも試合が決まりそうな説得力も内包していました。しかし、竹内が長与が上に乗って体重をかけてもブリッジワークで3度支え、試合を決めにいった逆片エビをエスケープする根性を見せると、長与はご褒美とばかりにラリアット、フロントスープレックス、ブレーンバスターを一発一発確かめるようにお見舞いし、その度フォール。が、竹内はこれらをすべてカウント2ギリギリでクリア。すると長与は「じゃあ得意なので攻めてみろや」といった表情でアップライトの構えを見せ、竹内のミドルキックを誘発。スタミナ切れで威力はイマイチながら、経験者だけあってフォームは様になっていました。
 最後は2度目のラリアットをクリアされた後の“キツめ”のニールキック。勝敗云々の試合ではありませんが、たまにはいいですね、こういうの。
第2試合 シングルマッチ30分1本勝負

×広田 さくら
vs
RIE○
(11分43秒、STF)
中島リングアナ・試合のポイント
 広田のコスプレはそのまんまRIE選手。但し、有刺鉄線竹刀に変わり、超極太の有刺鉄線金棒を台車に乗せて登場。セコンドの手を借りて重そうに金棒をリングに入れるも、結局金棒は重くて試合では使えず。
 さて、試合。広田は序盤こそ意味不明のローブローや、ケブラーダと見せかけての前転リングイン→すかさずダッシュし、今度こそトぺと思わせ→ロープ間をクルリと回るフェイントと、例によっての撹乱戦術を展開するも、中盤以降は近年稀に見るマジメな攻めに終始。伸び上がってのダイブヒップやサミングからの裏拳、更には相手のダブルアーム狙いをクルッと身を翻し、絶妙の動きで丸め込むなど、かなり健闘。RIE選手のTFPB、変形Wアームドライバーもカウント2でキックアウト。しかし、最後の最後で両者逆さ押さえこみの狙いあいの体勢から、ジャンプ一番、尻餅をついてこれを阻止したものの、RIE選手だけでなく、自分のケツにも等分のダメージを負うという広田ぶりを発揮。最後は2度目のTFPBも返したものの、すぐさまSTFで捕獲されギブアップ。 しかし率直に言って、終盤のシビアな攻防も観客席の反応は鈍し。これで広田が引き返すのか、進んでみるのかは、ちょっと注目です。
第3試合 シングルマッチ30分1本勝負

×山田 敏代
vs
アジャ・コング○
(11分23秒、裏拳から体固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 山田はこの日が誕生日ということで、コール時にスゴイ量の紙テープ。
 序盤はアジャ選手の一方的ペースも、中盤、山田がアジャ選手のダイブエルボー狙いを里村ばりに着地と同時に十字で捕獲。以降はKAORU戦で痛めた右腕に狙いを定め、手を変え品を変え腕を攻めつつ、要所でいいカンジのキック攻撃。裏拳も2度返し、「これは腕に的を絞ればもしかして…」というところで、例によってリバゴリ狙い。結局、3度失敗し(一度、コーナーに登ったところをショートカットで決めたが、カウント1で返された)、最後はジャンピングハイ狙いで飛ぼうとした瞬間を裏拳で狙い撃ちされ、豪快に空中で吹っ飛ばされてカウント3。腕をあれだけ攻めて、なぜリバゴリを狙う!? 会場全員、心の中で突っ込んでたと思う。
セミファイナル シングルマッチ45分1本勝負

○ライオネス飛鳥
vs
永島 千佳世×
(9分11秒、ライガーボムからエビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 序盤、“どっちが相手をマットに置いた椅子に叩きつけるか”を巡る頭脳戦は、切り返しの末、カニ挟みで飛鳥選手に軍配。永島は顔面を椅子に痛打。中盤、永島はコーナーに立てかけた机に振られると、机を蟹股で跨ぐようにセカンドロープに飛び乗り、飛びつきコルバタを決めるファインプレー。終盤、永島が机フットからのパワーボムを返し、タワーハッカーを狙われると空中で十字にスイッチ。飛鳥選手は超×3がつく滞空パイルから“一回転”ラリアット。永島がくるくる十字の体勢からワンモーション追加してウラカンにつなぐスーパームーブで反撃すると、飛鳥選手はまたも“一回転”ラリアットで反撃阻止。最後は飛鳥選手がライガーボム返しのウラカンを空中で止め、そのままジャイアントスイングで振りまわした末に、更に振り上げてライガーボム。ここでRIE選手がカットに入るも、もう一発ライガーボムを決めてジ・エンド。
 最後(っていうか途中も)のRIE選手の乱入は今回に関してはトゥーマッチ。会場の空気は「飛鳥選手が攻めてる」じゃなくて「永島が返してる」だったから。ただ、そう思われた永島も立場としては……むずかしいとこ。
メインイベント タッグマッチ60分1本勝負

長与 千種

○植松 寿絵
vs
尾崎 魔弓

シュガー佐藤×
(8分08秒、ダブルリストアームサルト)
中島リングアナ・試合のポイント
 尾崎組の奇襲で幕を開け、序盤からセコンド総出の総力戦。早くもブチ切れた植松がシュガーに椅子底ブチ抜きの一発をお見舞いし、コーナーに詰めて椅子で鈍い音が響くほど殴打すると、一期生最後の“流血ヴァージン”シュガーが大流血。これでシュガーはヘクるかと思いきや、気持ち悪いぐらい無表情になり、強烈な張り手合戦に勝利。更にコーナーの植松に会場がどよめく程の顔面フロントキック!
 長与は後楽園同様、植松に取らせようとフォローに終始し、尾崎選手を徹底阻止。最後はダブルリストを3度に渡りセコンドにカットされた植松が4発目を繰り出すと、カウント2で返したシュガーがまたも無表情で立ちあがり、ライガーボム。これを植松は空中で切り返してホイップ、更に突っ込んできたシュガーに超強烈なカウンターフックを叩きこむと、雄叫びを上げて5発目のダブルリストを決め、カウント3奪取。試合後、敗れたシュガーはかつて見たことのないぐらい取り乱し、卑弥呼勢になだめられて退場。植松は全身で勝利の叫び。軸のしっかりした“いい乱戦”だったと思います。