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BIG DESTRUCTION
2000年02月06日 アールンホール
観客動員数:1200人
第1試合 シングルマッチ30分1本勝負

×広田 さくら
vs
ライオネス飛鳥○
(9分41秒、へなスコーピオン)
中島リングアナ・試合のポイント
 今日は出だしからタン絡みまくりで来場者には私のコールが聞き苦しかったと思うので、取りあえず罪滅ぼしにたくさん書きます。
 広田は自ら長与のお面(多分、デラプロかなんかの拡大カラーコピー)を被り、傍らに飛鳥選手のお面を被せた十八番のデク人形を携えて入場。この日の入場テーマ・炎の聖書にあわせ、例によってデク人形と一蓮托生の動きで不思議な踊りを披露。飛鳥選手は、片ヒザつく場面で思わず付き合って苦笑い。
 さて試合前、飛鳥選手から握手を求めるも、お面の目の部分に穴をあけ忘れた広田にはまったく見えていないらしく、大ベテランのお誘いをなんとシカト。その上「真剣勝負だ!」とミエを切ったかと思えば、握手の際には「お手柔らかに」と呟くなど早くも口八丁でかく乱し、ゴング後もロープフェイントやらなにやらで脱力させては裏拳、という汚い戦い方で、飛鳥選手をそこそこ翻弄。ジャイアントスイングが回らないと見るや、炎のコマ(本人無意識)に切りかえるなど、機転のきいた攻撃も随所で見せますが、一瞬でヒザ十字を決められ、この試合最大のピンチに!すると広田は「飛鳥!いいのか?この名勝負が終わってしまっても!?」などと意味不明のことを飛鳥選手に問いかけ、精神に揺さぶりをかけます。更に「わかったら、ゆるめろ!」と、立場をまったくわきまえず高飛車に言い放ち、本当にゆるんだのかどうかは知りませんが、隙を見るや脱兎の如くエスケープ。
 いろいろあってクライマックス。広田は「前から温めていた」というトライアングル・スコーピオンをついに解禁。が、恐らく静止写真を見ただけのようで、掛けかたがサソリ同様メチャクチャ。…っていうか、それ、ただのリバース・デスロック。最後はフリーバードを返すなど粘りを見せましたが、最後は飛鳥選手が掟破りの逆足あやとり殺法風”を決めてフィニッシュ。トライアングル…は本家に失礼ですし、デスロックってのも何なので決まり手は“へなスコーピオン”ということで。もっと失礼か。
第2試合 シングルマッチ30分1本勝負

○シュガー佐藤
vs
竹内 彩夏×
(6分45秒、ミサイルキックから片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 竹内は相変わらず技がないんですけど、ドロップキックとかボディスラムとか基本的な技だけで十分沸かせてます。逆さ押さえこみも、基本に忠実でキッチリしてるし。粘りもあったし、体格差のあるシュガー相手にこれだけやれば…と、言いたいところですが「負けました。でも頑張りました」は本人が一番本意としないところなので、あえてこれ以上は。 シュガーが見せたロープを利しての“拷問系”は結構新鮮でした。
第3試合 シングルマッチ30分1本勝負

○長与 千種
vs
RIE×
(4分02秒、裏十字固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 RIE選手はニューテーマで登場。バッドナースチックなこの曲はマトリックスのサントラに入ってるやつですね。試合はノス…じゃなくて卑弥呼勢が例によって凶器・乱入三昧。怒った長与はセコンドもまとめて大技3つぐらいでブルンブルンと蹴散らし、最後はエビ固めにきたRIE選手の腕を取り、密かに得意技の裏十字で1本勝ち。→4試合目に続く
第4試合 シングルマッチ30分1本勝負

○北斗 晶
vs
植松 寿絵×
(8分41秒、裏十字固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 長与はRIE選手のギブアップ後もしばらく腕を離さず、何故かかなり熱くなっている様子。卑弥呼総出で引き離しにかかると、次の試合に出場予定の北斗選手が何事かと疾風の如く登場。すると反対コーナーから植松がダッシュでリングインし、ガウン姿の北斗選手に奇襲をかけてそのまま試合開始。
 気合十分でラッシュをかける植松に対し、北斗選手は態勢を立て直し、ガウンを脱ぐと意外にもスリーパーなどじっくり系の技でペースチェンジ。対する植松も何故かコブラツイストにこだわりを見せ、何度か仕掛けるも不発。しかし、3度目でついに北斗選手を捕獲し、体格的に苦しいと見るや尻餅をつかせグラウンドで絞り上げます。しのいだ北斗選手はミサイルキックなどを挟み、トドメとばかりDQボムの態勢へ。これを植松が技ありの脇固めに切り返すも、決まりが甘く北斗選手はエスケープ。この際、ロープ際で大将が細かくちょっかい出し(ロープを引っ張ったり遠ざけたり、北斗選手の手を爪でザクザク突いたり)。北斗選手、怒。
 終盤は張り手合戦。植松もかなり引き下がりましたが、張り手クイーンの“すんごいの"を数発もらい、ついに打ち負け。最後は植松が丸め込んだところを、北斗選手があてつけがましく裏十字に切り返し、フィニッシュ。なかなか離さないところまで長与を真似るにつき、大将、またも怒り爆発。

 さて、ここで何で長与が怒っていたかというと、どうも記者の話では鉄線棒攻撃か何かでタトゥーにキズがついたのが一因の模様。これで熱くなった長与はなかなか離さなかったことを「お前、何てことしてんだ」と責められれば「お前らに前にやられたことだ」と数ヶ月前のことを蒸し返すキラーぶりを発揮、更に北斗選手に同じフィニッシュをされれば「真似すんな、コラー!!」と逆ギレ。トドメは「早く帰れ、ブス!」…まあ、ちゃんとケガさせる一歩手前で“寸止め”する冷静さはあったので、ある種の計算も入ってたかもしれませんが。
ここのところ意識的に引いていた感のあった長与でしたが、どうやら卑弥呼退治に本腰を入れる模様。そして試合後、両軍の意向により後楽園のカードが変更。この日の流れを受けて長与&山田vs北斗&RIEは長与&植松vs北斗&RIEに、尾崎vs植松は尾崎vs山田に。後楽園も前半から大荒れ必至!です。
セミファイナル シングルマッチ45分1本勝負

○KAORU
vs
山田 敏代×
(9分37秒、エクスカリバー2000から片エビ固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 「DOAはラフでくればラフで返し、レスリングでくればレスリングで返すとか言ってたのに…」という“重箱の隅突つき屋さん”系の人がいると思うので、最初に言っておきます。
  「んなこたぁ、どーでもいいんだよ!」…ってわけにはいかないか。
  まあ、KAORUもその辺は考えたと思いますが、ここでなまじっか正統派レスリングだけをやると“ただのKAORUvs山田”になってしまうわけで、イメージ定着後、徐々に今のスタイルと正統派レスリングの“バランス調整作業”に入るのではないかなと。私はそんな風に考えています。
   というわけで、今日のKAORUは尾崎戦程ではないにしろ、ハードコア・モードに重きを置いたファイト。机の破片でバッコーンと脳天を叩いたり、ニークラッシャーをフェンスに落としたり、“破片弾頭”式のミサイルキックを放ったり、場外セントーン・オン・ザ・デスクは逆にデッドリードライブで叩きつけられたけど、机は自分のバンプでしっかり破壊したりとやりたい放題。最後は破片を抱いたままのサンドイッチ・ムーンサルト(すげぇバランス感覚)から、デスバレー式に担いでのエクスカリバー、その名もエクスカリバー2000(仮称だそうです)でほぼ完勝といえるカウント3。後楽園でのタイトル戦に弾みをつけました。
 さて、対してほぼ完敗といえる山田は、チャンスらしいチャンスはダイブ延髄4連発ぐらいで、まるで波に飲まれるように3カウントを献上。相手のスタイルが変わった部分でのとまどいがあったとはいえ“いつもの山田敏代”が通用しなかった現実をどう捉えるか?後楽園の尾崎戦は正念場!
メインイベント タッグマッチ60分1本勝負

○アジャ・コング

加藤 園子
vs
尾崎 魔弓

永島 千佳世×
(9分40秒、裏拳から体固め)
中島リングアナ・試合のポイント
 タッグタイトルの前哨戦的意味合いの強いこの試合で、とにかく光ったのが永島。クーロンズゲートが回転態勢に入るやあれよあれよと空中で十字を決めたり、アジャ選手の巨体を“勢い投げ”ではなく、しっかりコントロールしてジャーマンで固めたりと、随所でどよめきを誘う動きを披露。
 しかし、最後はその永島をアジャ選手が垂直落下からの裏拳で仕留め、セコンド陣も交えての総力戦はDOAに凱歌。試合後、この日全勝(一応、飛鳥選手も)のDOAはどうやら決まったと見えるDOAポーズを取り(右手はピストルの形を作り、自分の頭へ。左手は…マコトちゃんのグワシ!みたいなカタチ。)、後楽園でのタッグタイトル奪取を予告。うーん…タッグタイトル戦、現状はDOA有利と言わざるを得ないです。